AIが書く履歴書が当たり前に。採用は「読む」から「確かめる」へ
応募書類が変わるなら、採用プロセスも変わるべきです。AIを前提に、候補者の経験を確かめ、人との対話に時間を使う採用へ。

AIの急速な進化によって、履歴書や職務経歴書の作り方は大きく変わり始めています。
自分の経歴やスキルを入力して文章を作成してもらう。自分で書いた文章を修正してもらう。求人内容に合わせて、経験の伝え方を整えてもらう。こうした使い方は、これからますます一般的になっていくでしょう。
採用する側も、この変化を前提に考える必要があると私は思っています。
「AIを使わせない」という考え方には限界がある
一部では、AIを使って応募書類を作成することを禁止したり、好ましくない行為として捉えたりする考え方もあります。
しかし、文章作成、翻訳、情報収集、プログラミング、データ分析など、AIはすでに仕事のさまざまな場面で使われています。そのような時代に、「履歴書だけはAIを使わず、自分で書いてください」という考え方をいつまで維持できるでしょうか。
もちろん、経験や実績を偽ってよいということではありません。表現を整えることと、事実を作り上げることは別です。
応募書類はAIを使って作成・修正されている可能性がある。その前提で、採用プロセスを設計する必要があります。
美しい履歴書だけでは、候補者の実力は分からない
AIを使えば、文章を書くことが得意ではない人でも、読みやすく、論理的で、プロフェッショナルな履歴書を作ることができます。自分の経験を伝えやすくなるのは、候補者にとって大きなメリットです。
一方で、採用側が応募書類の「文章の完成度」から、候補者本人の能力や人となりを判断することは、これまで以上に難しくなります。
100人の応募者から、100通の美しく整った履歴書が届く。その一つひとつを読み、表現や構成の違いで候補者を選ぶ。この方法そのものを見直す時期に来ているのではないでしょうか。
AIを活用し、書類の「中身」を確かめる
応募書類の作成がAIによって効率化されるのであれば、採用側もAIを活用すべきです。大量の書類の整理や条件の照合、一次スクリーニングをAIが支援することで、人の負担を減らせます。
ただし、書類を要約して順位を付けるだけでは十分ではありません。「この経験があります」「このスキルがあります」「この実績を達成しました」と書かれていれば、具体的に何を担当し、どのように成果につなげたのかを質問し、可能な範囲で裏付けを確認する必要があります。
AIによる確認にも限界があります。候補者の説明、確認できた事実、推測、未確認の点を区別し、AIの出力だけで真偽や採否を決めないことが大切です。
応募書類を読む採用から、応募書類に書かれた内容を確かめる採用へ。
人間の時間を、対話と判断に使う
これは、人間を採用プロセスから排除するという話ではありません。むしろ、人が向き合う時間を増やすための変化です。
履歴書の整理、条件の照合、基本的な経験の確認をAIが支援すれば、人事担当者は候補者との対話により多くの時間を使えます。仕事に対する価値観、コミュニケーションの取り方、チームとの協働、これからの成長について、互いに理解を深める時間です。
企業が候補者を知るだけでなく、候補者も企業を知り、自分が働きたい環境かどうかを考える。その双方向の対話こそ、採用の中心にあるべきだと思います。
AIによって、人間の時間をもっと人間らしい採用に使えるようにする。それが重要だと考えています。
AI時代に合わせて、採用の仕組みそのものを変える
AIによる履歴書や職務経歴書の作成は、これから特別なことではなくなっていくでしょう。だからこそ、「AIを使ったかどうか」だけを問題にするのではなく、「AIが使われる前提で、どうすれば候補者をより正確かつ効率的に理解できるのか」を考えるべきです。
候補者がAIを使う。企業もAIを使う。そして、最後の重要な判断とコミュニケーションに、人間が集中する。
私たちがZipUppで目指しているのは、このような新しい採用プロセスです。
AIが応募書類を変えるのであれば、採用プロセスも変わらなければならない。それが、これからの採用の常識になっていくと考えています。