人柄を重視して採用するなら、採用担当者の時間の使い方も変えるべきだと思います
人柄や責任感を重視するなら、採用担当者はその人を知るためにもっと時間を使うべきではないでしょうか。AIによる基本情報の整理と、人が向き合う面接の役割を考えます。

帝国データバンクが全国1,333社に行ったアンケートを見て、改めて考えたことがあります。
企業が求める人材像として、最も多かった回答は「コミュニケーション能力が高い」で30.6%。続いて「真面目、または誠実な人柄である」が29.2%、「意欲的である」が28.4%でした。
一方で、専門的なスキルや、AI・デジタル技術を活用する能力は、それらより下位にとどまっています。また、新卒採用が中心の企業では「素直である」が31.8%。中途採用が中心の企業では「責任感がある」が28.4%、「行動力がある」が20.2%で、新卒採用中心の企業との差が目立ちました。
もちろん、スキルや経験が必要ないという話ではありません。
ただ、実際に一緒に働くことを考えると、知識や技術を持っているだけでは十分ではないということなのでしょう。
周囲ときちんと意思疎通ができるか。仕事に誠実に向き合えるか。自分の役割に責任を持ち、必要なときに自分から動けるか。
私自身、会社を経営していて、このあたりの大切さはよくわかります。どれだけ立派な経歴があっても、安心して仕事を任せられるかどうかは、また別の問題です。
では、その人柄を知るために、どれだけ時間を使えているでしょうか
ここで考えたいのが、採用担当者の時間の使い方です。
企業がそこまで人柄や責任感を重視しているのであれば、採用担当者は、その部分を確かめるために最も時間を使うべきではないでしょうか。
ところが、採用には、その前の作業がたくさんあります。
履歴書や職務経歴書を読み、必要な経験があるかを確認する。一次面接で仕事内容や担当範囲を聞き、給与や勤務地などの条件をすり合わせる。書類に書かれている実績について、具体的に何をしたのかを聞いていく。
一つひとつは必要な作業です。ただ、それをすべて採用担当者が行わなければならないのかというと、私はそうは思いません。
基本的な条件や経験の確認に多くの時間を使い、本当に知りたい人柄や仕事への向き合い方については、限られた時間で判断する。それでは、企業が重視していることと、実際の時間の使い方が合っていないように感じます。
AIに任せられる確認は、AIに任せる
スキルや経験、希望条件など、一定の基準に沿って情報を集め、整理し、照合する作業は、AIを活用できる部分です。
履歴書にどんな経験が書かれているのか。募集している仕事に必要な条件を満たしているのか。その経験について詳しく聞くと、どんな具体的な説明が返ってくるのか。
こうした確認を、採用担当者が候補者一人ひとりに、毎回同じように繰り返す必要はないと思っています。
AIに任せられる部分を任せれば、その分の時間とコストを減らせます。そして、そこで生まれた余力を、候補者と直接向き合う時間に使う。
私は、この使い方にこそ、採用でAIを活用する意味があると考えています。
会う時間を、もっと中身のある時間にする
例えば、責任感について知りたいのであれば、「責任感はありますか」と聞いても、あまり意味がありません。
仕事が予定どおりに進まなかったとき、どう対応したのか。自分のミスで周囲に迷惑をかけたとき、何を考え、どう行動したのか。意見が合わない相手と、どうやって仕事を進めたのか。
そうした具体的な経験について会話を重ねることで、見えてくるものがあるはずです。
もちろん、一度会えば相手のすべてがわかるわけではありません。だからこそ、基本情報の確認だけで面接時間を使い切ってしまうのは、もったいないと思うのです。
あらかじめ経験や条件が整理されていれば、面接では気になる点から深く話を聞けます。候補者にとっても、書類に書いた内容を最初から説明し直すより、自分の考えや働き方を伝えられる時間になります。
その人が実際にチームに加わったとき、一緒に働く姿を想像できるか。仕事を任せられると思えるか。候補者自身も、この会社で働きたいと思えるか。
人が直接関わる時間は、そういう判断のために使いたいと考えています。
ZipUppは、その時間をつくるためのサービスです
ZipUppでは、書類選考に必要な情報の整理や、基本条件を確認する一次面接、職務経歴に書かれた内容を掘り下げる質問などを、AIに任せることができます。
例えば「プロジェクトを担当した」という記載があれば、どんな役割を担い、どのような行動を取り、何を達成したのかを確認していく。その回答を整理し、企業が判断するための材料にします。
AIが本人の説明を聞くことと、経歴の事実関係を外部資料などで証明することは別ですが、少なくとも、書類の短い記述だけでは見えなかった具体的な内容を、面接前に把握しやすくなります。
企業は、こうしたAIによる確認結果や条件との適合度をもとに、次に会いたい候補者を絞り込めます。そのうえで、二次面接や最終面接では、人柄や責任感、仕事への姿勢、自社のチームとの相性を、直接の会話を通じて確かめることができます。
私がZipUppで実現したいのは、採用担当者が、本当に自分で判断したいところに時間を使えるようにすることです。
企業が求めているのが、誠実で、意欲があり、責任を持って一緒に働ける人なのであれば、その人を知るための時間を、もっと確保する必要があります。
そのために、AIに任せられる作業は任せる。そして、人が向き合うべきところに、時間とコストを注ぐ。
それが、私の考えるZipUppの役割です。